残酷すぎる成功法則 第1章 成功するにはエリートコースを目指すべき?感想②

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残酷すぎる成功法則が気になる人「残酷すぎる成功法則の書評が知りたいです。どんな内容で、どんな人が読むべきか詳しく知りたいです。」

こういった疑問に応えていきます。

本記事の内容

  • 偉大なリーダーの意外な条件
  • 普通の暮らしができない天才ピアニスト
  • 蘭とタンポポと「有望な怪物」

偉大なリーダーの意外な条件


偉大なリーダーの条件とはなんだろう。
長年にわたって、そもそもリーダーの存在は決定的に重要かという点で研究者の議論は分かれていた。
いくつかの研究では、偉大なチームはリーダーがいてもいなくても成功をおさめると証明された。
だが別の研究では、チームが成功するか失敗するかを決める重要な原因は、カリスマ性のあるリーダーであることが示された。

ハーバード大学ビジネススクールのムクンダは、それまでの研究結果に一貫性がなかった理由は、リーダーが根本的に異なる二つのタイプに分かれるからだと分析した。

第一のタイプは、チェンバレンのように政治家になる正規のコースで昇進を重ね、宝石を踏んでものごとに対応し、周囲の期待に応える「ふるいにかけられた」リーダーだ。
第二のタイプは、世紀のコースを得ずに指導者になった「ふるいにかけれれていない」リーダーで、たとえば、会社員をえずに起業した起業家、前大統領の辞任や暗殺により突然大統領職に就いた元大統領、あるいはリンカーンのように予想外の
状況下でリーダーになった者などを指す。

「ふるいにかけられた」リーダーは、トップの座に就くまでに十分に審査されているので、常識的で、伝統的に承認されてきた決定をくだす。
手法が常套句的なので、ここのリーダーは、システムによる審査を得てきていないので、過去に”承認済みの”決定をくだすとは限らない。

多くの者は、そもそも過去に承認された決定すら知らない。バックグラウンドが異なるので、予測不可能なことをする場合もある。
その反面、彼らは変化や変革をもたらす。ルールを度外視して行動するので、自ら率いる組織自体を壊す場合もある。
だがなかには、少数派だが、組織の悪しき信念体系や硬直性を打破し、大変革を成し遂げる偉大なリーダーもいる。
多くの研究結果に見られた、多大なプラスの影響を及ぼすリーダーとは彼らのことだ。

ムクンダは博士論文でこの理論を適用し、米国の歴代大統領を2種類に分類し、それぞれの政策のインパクトを検証した。
結果は驚くべきものだった。大統領の影響力が、じつに99%という並外れた統計信頼度で予測されたのだ。
「ふるいにかけられた」リーダーはことを荒立てずに済まそうとする。
「ふるいにかけられていない」リーダーは逆で、ことを荒立てずにはいられない。システムや制度を破壊することもしばしばだ。

だがときには、リンカーンのように、奴隷制のような悪しきものを壊すこともある。

ムクンダ自身、このことを実際に体験した。型破りな博士論文のおかげで、彼は研究職の就職市場で、”外れ値”に位置した。

50校に応募したが、ハーバードやMITの学位がありながら受けられた面接はたったの2つ。
大学側は、「政治学入門」を教えられる月並みな「ふるいにかけられた」研究者を求めた。

独創的な研究ゆえに、伝統的な教授職の候補になりにくかったのだ。多彩な教授陣を擁するのに十分な資金を有し、規格外のカリスマを求める大学だけが、ムクンダのような研究者に関心を持った。
結局ハーバードビジネススクールから誘いがかかり、受諾したのだった。

ムクンダは言った。「いいリーダーと偉大なリーダーの差は程度の問題ではなく、両者は根本的に異なる人間なのです。」

この章を読んで、いいリーダーと偉大なリーダーについて考えせられました。
世の中にはいいリーダーと偉大なリーダーと2種類いますが、会社員の場合ははいいリーダーが多い気がします。
偉大なリーダーは個人であったり、ベンチャーの引き抜きのような感じだと思いました。
僕自身もどちらかというと「ふるいにかけられていない」側なので、いいリーダーになる必要なないのかなと感じました。また、そのユニークな資質(大衆がネガティブという性質)を生かして、偉大なリーダーになれるようなフィールドで戦えばいいのかなと思いました。

普通の暮らしができない天才ピアニスト


天才ピアニストのグールドは重度の心気症だった。
いつも手袋をはめて、カバンいっぱいに薬を詰めて持ち歩いていた。
人前で演奏するのも、移動してホテルに止まらなければならないコンサートツアーも大嫌い。大体は3割の公演を取り止めにし、ときいには、せっかく日程を組み直した公演を再度キャンセルしたりする。

変人だが、同時に20世紀を代表する偉大な音楽家であった。グラミー賞を4度受賞し、アルバムを何百枚も売り上げた。
しかも、グールドはただ病気恐怖症だったわけではなく、さまざまな意味で異様だった。

毎朝6時に床に就き、午後に目が覚める。
搭乗予定の飛行機が不吉に思えると、チケットをキャンセルした。
極度の寒がり屋で、夏でも冬服で過ごし、日用雑貨をゴミ袋に入れて持ち歩いた。

フロリダでホームレスと間違われ、警察官に逮捕されたこともある。
無茶苦茶な運転をするので、彼が運転する助手席は”自殺席”と呼ばれている。

演奏ぶりも異様極まりなり。
ケビンはグールドの伝記のなかで「ヨレヨレの服装で猿のように鍵盤にかがみこみ、腕を振りまわして胴を回転させ、頭を上下に揺らしながらと」説明している。

念のために説明するが、グールドはジャズピアニストでエルトン・ジョンでもない。演奏するのはバッハだ。
グールドは特製の椅子があり、椅子は床から30センチほどしかなく、浅く前のめりに座るのに具合がいいように前方に傾斜していた。

要求の多い息子のために父親が折り畳み椅子の脚を切って作った椅子だった。
グールドは生涯この椅子を使い続け、世界中どこへでも持って行った。

長年使ううちにあちこちが痛み、姉妹には針金やテープでつなぎ止めてあったので、きしむ音がレコードに入り込んだほどた。

これほどエキセントリックでも、グールドの演奏はしびれるほど感動的だった。名指揮者のジョージ・セルに「天才とは彼のことだ」と言わしめるほどに。
グールドの演奏技能、名声、成功は、決して簡単に成し遂げられるものではない。
まさに神童だった彼は12歳にして一人前のプロ演奏家たる技術を身につけていた。だがその反面、人前でぎこちなく、繊細すぎる子だったので、周囲かに子供がいる環境に馴染めず、家で何年か家庭教師についていた。

ではどうやって成功し、偉大な音楽家として名を馴じせたのか?

幸運にも彼はその繊細な気質に最適な環境に生まれた。両親は、ほとんどありえないほど彼を惜しみなく支援した。母親はひたすらグールドの才能を伸ばすために献身し、父親は息子の音楽教育2年間3000ドルを費やした。
こうした惜しみない援助と、神経症によって助長された本人の本人の飽くなき労働意欲をもって、グールドの才能は開花した。彼はレコーディング作業に入ると、スタジオに一日16時間、週に100時間も籠ったという。

演奏家の卵からアドバイスを求められると、彼はこういった。
「演奏以外の全てを諦めることだ」

この章を読んで分かったことは好きなことをずっとやり続けると結果的に成功するということ。多くの人は成功したいから成功できることをしようとするが、グールドのように演奏が好きでずっと演奏していられるようになると成功するということ。
グールドの場合、親の支援+繊細+努力+好き+演奏+心気症で成功したが、圧倒的に努力と好きなことをやっている。

僕らもグールドのように近づくには好きなことを最低限の量をこなす必要があるなと実感しました。グールドの場合は心気症がありますが、周りがネガティブだと思うことがあってもそれを活かして成功している事例があるので、周りがネガティブだと思っても
それを改善するのではなく、生かす方向にシフトした方がうまくいきそうですね。

残酷すぎる成功法則

蘭とタンポポと「有望な怪物」


スウェーデンでは古くから、「大半の子どもはタンポポだが、、少数の子は蘭である」と言い伝えられてきた。
タンポポはたくましい。それほど綺麗な花ではないが、どんな環境でもよく繁殖するので、わざわざ手間暇かけて育てようとする者はいない。一方、蘭はきちんと管理してやらなければ枯れてしまうが、丁寧に世話をすればそれは見事な花が咲く。
よくできた例え話だと思っただろうか?

でもそれだけでなく、この言い伝えを最先端遺伝学から検証してみよう。

ニュースでよく聞くのは、遺伝子が原因でああなる、こうなるという話だ。
それで私たちはすぐに、「いい遺伝子」「悪い遺伝子」とレッテルを貼る。

これは心理学者が「脆弱性ストレスモデル」と呼んでいるもので、悪い遺伝子を持つものが何か問題に遭遇すると、うつ病や不安神経症などの精神疾患を発症させやすいという。

だが1つ問題がある。この説が間違っている可能性がじょじょに強まってきたのだ。

遺伝子の最近研究では、「良い遺伝子」対「悪い遺伝子」というモデルが覆われ、増強装置概念に近い説が導入されつつある。
心理学者が差次感受性仮説と呼ぶもので、問題があるとされる遺伝子が、状況さえ異なれば素晴らしい遺伝子にな李うるという考え方だ。

一本のナイフで人も刺せれば、家族の食事も作れる。
それと同じで、遺伝子の良し悪しも状況次第で変わるという考え方だ。
もっと具体的に話そう。
たとえば大多数の人は、正常なドーパミン受容体遺伝子DRD4をもつが、一部の人は突然変異種のDRD4-7Rを持つ。

これはADHD、アルコール依存症、暴力症と関連がある悪い遺伝子とされている。

しかし、社会心理学の研究者のアリエルが子どもを対象に行なった実験では、別の可能性が示された。
アリエルはどちらの遺伝子の子どもが、自分から進んで他の子とキャンディを分け合うかと調査した。

通常3歳児は、必要に迫られなければお菓子を諦めたりはしない。ところがキャンディを分け与える傾向がより強かったのは、なんと7R遺伝子を持つ子達たちだった。
「悪い遺伝子」を持つ子たちは、頼まれもしないのに、なぜ他の子にキャンディをあげたいと思ったのだろうか?

なぜなら7Rは、「悪い遺伝子」ではないからだ。
ナイフと同様に、7Rの良し悪しは状況次第で決まる。
7Rを持つ子が虐待や育児放棄など、過酷な環境で育つとアルコール依存症やいじめっ子になる。

しかし良い環境で育った7R遺伝子の子たちは、通常のDRD4遺伝子を持つ子たち以上に親切になる。

つまり同一の遺伝子が、状況次第でその特性を変えるというわけだ。

この章を読んで、良い悪いの2つで判断するのではなく、当たり前の話ですが、使い方次第、環境次第だということがわかりました。
改めて、自分の身を置く環境の大切さや、同じものを使うにしても使いかや考え方を考えさせられる内容でした。

最新のものを使うのが全てではなく、使い方や使う環境などで大きく左右されるので、根本的なところから改善していこうと思いました。